ラグビー慶應大学対帝京大学メンバー発表!注目選手と見どころ、勝負のキーポイントとは?11月30日(土)慶應義塾大学は、ラグビー関東大学対抗戦の最終戦で帝京大学と戦う。すでに4敗の慶應は大学選手権に出場できないことが決まっていて、これは22年ぶりのことなのだが、この試合が今年の代の最後の公式戦となると思うと切ない気持ちが込み上げてくるが、応援の意味も込めて動画を収録した。

30日の試合を前に本日28日、両大学からメンバーが発表された。両校にとって対抗戦最終となるこの試合について、ざっくばらんに話しができればと思う。

帝京大学メンバー発表!注目の選手と見どころ

帝京大学ラグビー部公式HP

帝京大学は、先の明治戦で17-40と大敗を喫したが、帝京大学らしい頑張りを見せた試合だった。魂のタックルのキャプテン本郷泰司選手のフランカーデビューの試合となり、往年ファンにとっては見所満載の試合だったのではないか。

帝京大学の慶應戦先発メンバーを見たところ、先の動画で帝京大学の中心と紹介した尾﨑泰雅選手(3年CTB)と安田司選手(3年NO.8)の2人が明治戦に続いて欠場となり、彼らはその前の早稲田戦で怪我で交代となってしまったのだが、帝京大学はこの後の大学選手権を見据えて、怪我人は休ませる方針なのだろう。

彼ら2人が出なくても、相当なメンバーが揃っており、慶應大学は油断などしている場合ではない。

先の動画で一緒に予想した帝京大学のウイングとフルバックの決定力となっている奥村照選手(3年FB)と木村朋也選手(3年WTB)、そして、尾崎選手の代わりに入った小村健太選手(2年WTB)は日本人なのだがニュージーランドの名門ハミルトンボーイズスクールを卒業しており、前回の明治戦でも非凡なプレイをみせていて、決定力は相変わらず強い。

そして、花園の頃からチェックしていた1年のセンター李承信選手(りすんしん・大阪朝鮮高校)がレギュラーに入った。彼は高校の頃から大活躍していて、この大事な試合でのスタメン出場が楽しみだ。

フォワードには留学生が3人入っており、前回の明治戦でやり合った彼らの縦のプレイは素晴らしく、帝京有利は変わらない。

本郷泰司主将の熱いタックルが見ものだ。

帝京大学先発メンバーリスト

名前 学年 出身高校
1PR 北隼人(きたはやと) 4 筑紫
2HO 照内寿明(てらうちとしあき) 2 國學院栃木
3PR 細木康太郎(ほそきこうたろう 2 桐蔭学園
4LO アレクサンダー・ マクロビー 1 St.Kentigern College(NZ)
5LO 水谷健人(みずたにけんと) 4 秋田工業
6FL リッチモンド トンガタマ 2 NZオタフフカレッジ
7FL主将 本郷泰司(ほんごうたいじ) 4 京都成章
8NO8 ミティエリ・ ツイナカウヴァドラ 1 St.Josephs College,
Hunters Hill(AU)
9SH 土永雷(どえいあずま) 3 光泉
10SO 押川敦治(おしかわあつし) 2 京都成章
11WTB 小村健太(こむらけんた) 2 ハミルトンボーイズ(NZ)
12CTB 李承信(りすんしん) 1 大阪朝鮮
13CTB 岡村晃司(おかむらこうじ) 3 御所実業
14WTB 木村朋也(きむらともや) 3 伏見工業
15FB 奥村翔(おくむらかける) 3 伏見工業
16HO 李承爀(りせんひょく) 3 大阪朝鮮高級学校
17PR 近藤芽吹(こんどういぶき) 3 新潟工業高校
18PR 奥野翔太(おくのしょうた) 2 常翔学園
19LO 久保克斗(くぼかつと) 3 國學院栃木
20LO 野田響(のだひびき) 3 荒尾
21SH 末拓実(すえたくみ) 4 長崎北陽台高校
22SO/FB/CTB 金諒(きむりゃん) 2 大阪朝鮮
23CTB 新井翼(あらいつばさ) 4 流通経済大学付属柏

 

慶應大学メンバー発表!僕の観るポイントとは?

慶應義塾體育會蹴球部公式ツイッター

慶應大学にとってはこれが公式戦、今年、最後の試合となる。

先の早慶戦では早稲田が圧勝だろうとの下馬評の中、慶應らしさを見せた良い試合をしてくれたと言う人も多いが、引き分けや勝ちに持っていけなかったのが、今年の慶應の象徴だろう。ただ、良い感じにまとまりを見せてきているので、最後の帝京戦で暴れて欲しい。

この帝京戦では、心の底から慶應大学を応援するのだが、僕の観るポイントを今日はお伝えしようと思う。

慶應大学注目の3年生選手7人

僕が、慶應大学の試合で一番見たいのは、3年生の活躍だ。

多分理由はお分かりと思うが、今年のシーズンの終わりが見えてきて、1年生から3年生は皆、来年に視野を向けている。来年はやってやるぜとの気持ちが出ている今の3年生が来年は最上学年になるわけで、大学ラグビーでは4年生がまとまっているかが大事と言われている。慶應の今年は3年生が多いので、もちろん全員を応援するのだが、3年生を中心に観て行きたいと思う。

すごく残念なのが、3年生の中でも代表で、来年はキャプテンになるのではと思うロックの相部開哉選手の欠場だ。先日の早慶戦で、後半途中交代となっていて、jsports解説の野澤君が言うには、プレー的にも体を張るタイプなので怪我が尽きないらしい。往年のザ・慶應ラガーマンという感じがして好きな選手の欠場は寂しいが、来年に向けてチームをまとめてもらいたいなと思う。

 

フォワードで出場の3年生は、3番プロップの大山祥平選手だ。慶應のフォワードは小柄なことで有名で、いつも体格の差を補わなければいけないのだが、大山選手(慶應義塾高校出身)は珍しく、身長186センチ、体重110キロと、前3、プロップとしては恵まれた体格。スクラムが強いことで有名なスクラムの中心人物で、U20日本代表にも選ばれる選手だ。彼は3年生なので来年もいるんだと思うと嬉しい限りである。彼のスクラムは見どころだ。

フォワードの3年生はもう1人、NO.8の濱野剛己選手。彼は桐蔭学園出身で、来年は4年。僕が大好きな副将の川合秀和選手が卒業した後の穴を埋めて、バックローをバリバリ引っ張ってくれることに期待している。

濱野選手は今年も何試合か出ていて良いプレーを見せていて、今回はスタメンのNO.8なので、じっくり応援したいと思う。

バックスでは、センターの三木亮弥選手、ウィングの宮本恭右選手、フルバックの沖洸成選手と、3年生がなんと3人もいる。7人中3年生が3人というのは、僕的には嬉しい。

センターの三木亮弥選手は、慶應には珍しく京都成章高校出身で、去年からセンターでメンバー入りしているのだが、スピードあるプレーが魅力で、角度をつけて入るプレーは正にザ・センターだが、アタックでも頑張りを見せてくれることに期待したい。

ウィングの宮本恭右選手は、前回の早慶戦で絶好調のディフェンスを見せ、ピンチを何回も救ってくれた。

ウィングやフルバックは派手なプレーが多い中、宮本選手は地道に、人によっては地味と思われるかもしれないが、ディフェンスをあそこまでできるプレーヤーがいると、フォワードは楽になるので、帝京相手にもアタックで頑張ってもらいたい。

フルバックの沖洸成選手は、身長が168センチと大きくないのだが、ヘッドキャップをかぶっていて大好きなプレーヤーだ。

慶應義塾體育會蹴球部公式HP

広島県の花園の常連校の尾道高校出身で、勉学にも励んでいるとの情報を聞いている。凄く真面目なプレーヤーでいて、スピードもあり、キックを蹴ってくる帝京に対して沖選手のキック処理からのカウンターに期待したいと思う。ということで、3年生を中心に応援していこうと思う。

慶應大学先発メンバーリスト

名前 学年 出身高校
1PR 有賀光生(ありがこうせい) 4 國學院久我山
2HO 原田衛(はらだまもる) 2 桐蔭学園
3PR 大山祥平(おおやましょうへい) 3 慶應義塾
4LO 川端隼人(かわばたはやと) 4 國學院久我山
5LO 今野勇久(こんのゆうく) 1 桐蔭学園
6FL副将 川合秀和(かわいひでかず) 4  國學院久我山
7FL 山本凱(やまもとかい) 2 慶應義塾
8NO8 濱野剛己(はまのごうき) 3 桐蔭学園
9SH 上村龍舞 (かみむらりゅうま) 4 國學院栃木
10SO 中楠一期(なかくすいちご) 1 國學院久我山
11WTB 佐々木隼(ささきじゅん) 1 桐蔭学園
12CTB イサコ・エノサ 1 King’s College
13CTB 三木亮弥(みきりょうや) 3 京都成章
14WTB 宮本恭右(みやもときょうすけ) 3 慶應義塾
15FB 沖洸成(おきこうせい) 3 尾道高校
16HO 安田裕貴(やすだひろき) 4 慶應義塾
17PR 松岡勇樹(まつおかゆうき) 1 慶應義塾
18HO/FL 室星太郎(むろほしたろう) 4 静岡聖光学院
19LO  池田勇希(いけだゆうき) 3  熊谷
20FL/CTB 大谷陸(おおやりく) 3 慶應義塾
21SO/CTB 鬼木崇(おにきたかし) 1 修猷館
22CTB主将 栗原由太(くりはらゆた) 4 桐蔭学園
23SO/CTB 鎌形正汰(かまがたしょうた) 3 慶應義塾

 

「慶應対帝京」勝敗を分けるキーポイントとは?

今年、帝京大学が良いチームにも関わらず、早稲田や明治に勝てなかった理由を上げさせてもらうと、例年に比べてディフェンスがイマイチで、これは今年の慶應がラインアウトがイマイチなのと同じくらい、全体的にチームディフェンスがイマイチなのだ。

帝京の本郷泰司選手のタックルは素晴らしいものの、個人のディフェンスになってしまっていて、チームディフェンスになっていない。それに比べて明治はチームディフェンスが整っている。

その差から、今年の帝京大学は、日体大や筑波戦でも勝ったものの、点数を取られており、気になっていた。ディフェンスが帝京の勝負所だろう。

それでは、慶應が帝京大学のディフェンスを突破できるだけのアタック力があるのかというと、そこが悩ましいところではある。

慶應と言えばディフェンス、帝京と言えばアタックと言われているが、今回は、珍しいことに逆で、帝京がディフェンスをできるかということ、そして、慶應がディフェンスだけでなく、アタックでどれだけパフォーマンスを出せるのかが勝負のキーポイントになるのではと予想する。

ラグビー関東大学対抗戦「慶應大学」対「帝京大学」は11月30日(土)11時30分、キックオフだ。残念ながら地上波放送は無いのだが、jsportsに加入している方や、秩父の宮ラグビー場で観戦する方はぜひ、楽しんで応援していただければと思っている。