来年1月12日の開幕が待たれるラグビートップリーグ2020の楽しみ方を解説しました。
チームごとの解説は、開幕前に詳しくする予定ではあるのですが、まずはリーグ戦のルールと押さえておきたい主要6チームのプレースタイルや注目メンバーについて、にわかファンの佐野と聖樹とともに、ラグビー初心者の人にもわかりやすく概要となる全体像を解説しております。
動画の内容はこちら
目次
トップリーグの歩き方 概略篇
トップリーグのチケットが爆売れ?
先行販売が行われた「日本ラグビー協会メンバーズクラブサイト」に入った佐野からの情報で、トップリーグ開幕戦の主要チケットが、ほとんど売り切れてしまっているという事実に、にわかファンの2人は残念そうだったが、筆者は逆にラグビー全体の盛り上がりを嬉しく感じていた。
大学ラグビーの観客席も今までなら5000人程度だったのが、先日の慶應と明治、早稲田と帝京の2試合の観客がなんと2万人も入ったのだ。
このワールドカップの熱が長く続くことを切に願う。
トップリーグの全体像を掴む!
全16チームによる総当たり戦
前回までは、レッドカンファレンスとブルーカンファレンスの2つに分かれてベスト4が争うという形式だったが、今回は全16チームが総当たり戦を行う形になる。
ボーナスポイントもある!
ワールドカップを基準としたのか、ボーナスポイントも採用され、さらに盛り上がる展開になりそうだが、どうにもラグビー業界が出す情報が遅いというのが不満のひとつである。
トップリーグの主要6チームを一挙紹介!
神戸製鋼コベルコスティーラーズ(兵庫県神戸市)
今は亡きMr.ラグビーと言われた平尾誠二選手が当時7年連続日本一を誇っていた神戸製鋼は、ここ数年低迷していたが、昨年のトップリーグカップ2019優勝で復活し、選手たちは平尾さんの写真を持ち、感動の幕を閉じた。
その復活の要因は、ニュージーランド伝説のスーパースターであるラグビー界のメッシと言われる、ダン・カーター(NZ・SO)が去年から入り、チームを率いたことによって一気に形成が変わったのがひとつ。
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そしてラグビーワールドカップ2019にも出場した山中亮平(FB)選手が大活躍したというのも要因のひとつである。
以前にも記事にしましたが、山中選手が思いもしなかった不本意の事態により2年間の出場停止処分となり腐りかけていた時、「お前には才能がある」と、勇気づけてくれた平尾さんのためにも、自分が神戸製鋼を引っ張っていかなければならないという使命を感じていたのではないだろうか。
そんな気合いの入った山中選手の活躍も、神戸製鋼の試合で見れるだろう。
その他にも中島イシレリ選手(PR)、コカ・コーラから移籍したラファエレティモシー選手(CTB)、ニュージーランドからブロディ・レタリック(NZ・LO)選手が加入と、選手陣の層が厚いところも注目である。
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神戸製鋼はイングランドタイプで圧倒的な攻撃力を誇っていて、展開というよりも縦の攻撃を得意としており、見ていて楽しいチーム。
サントリーサンゴリアス(東京都府中市)
主要メンバーは、W杯でも活躍した流大(SH)中村亮土(CTB)松島幸太朗(FB)ツイヘンドリック(FL/NO8)北出卓也(HO)。
そして豪州の英雄マット・ギタウ(AU・SO)
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更にサントリーはW杯で惜しくも代表を逃した選手もたくさん所属し、その中でも要チェックなのは、明治大出身の梶村祐介選手(CTB)と、桐蔭学園高校時代、高校日本代表に選ばれたことがある、帝京大学出身の堀越康介選手(PR)。
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サントリーは展開のチームで、キックを滅多に蹴らないプレースタイルだが、それを作ったのはjsportsでも解説者として何度も登場していた沢木敬介さんであり、その沢木さんが監督時には2年連続優勝している。
慶応大学出身者が多いので、筆者はサントリーファン。
レギュラーになれるかどうかは分からないが、松岡修造の甥っ子である辻雄康選手など、なかなか慶應大学出身者の少ないトップリーグだが、サントリーはその中でも慶應の流れがあるので、つい応援してしまう。
先述した通り、キックが少ない試合運びでずっと回す展開なので、こちらも見ていて楽しい。
ヤマハ発動機ジュビロ(静岡県静岡市)
地元地域密着で盛り上がりを見せるのではないかと思っているヤマハは、ここ最近力をつけてきた新興チームであり注目の対抗馬。
元早稲田の清宮克幸監督が、ヤマハを強くさせるために早稲田出身の選手を多数起用し、8年間で初優勝させた。
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清宮克幸監督
有終の美を飾る🎊
\今季限りで #ヤマハ発動機 を退任する #清宮克幸 監督。#豊田自動織機 を35-31で破ったあとに見せた、仕事をやり切った男の清々しさが感じられる表情が印象的。8シーズン、お疲れ様でした👏#トップリーグ は https://t.co/u4BaoHt81Q で📺#DAZN#TopLeague pic.twitter.com/hVXfX0y7wp
— DAZN ダゾーン (@DAZN_JPN) January 19, 2019
ヤマハは南アフリカタイプで、フィジカルが強く派手さは無いが、スクラムが強く、ラインアウトを確実に取りに行く、堅実ないぶし銀スタイル。
ラグビーワールドカップ2015で大活躍した五郎丸歩(FB)選手も現役で、ビクトリーロードをつくった山本幸輝選手(PR)、ヘルウヴェ選手(FL/LO)など、堅実だけど強いチーム。
トヨタ自動車ヴェルブリッツ(愛知県豊田市)
ご存知、ジャッカルで有名になった姫野和樹選手(NO8)や、気が強くて個人的に好きな茂野海人選手(SH)。
(写真:https://news.jsports.co.jp/)
元NZ監督のスティーブ・ハンセンがトヨタに来るというエディジョーンズ監督の爆弾発言があったが、監督ではないもののトヨタで職に就くことを認めていて、正式な新HCとしては、豪州ワタラーズの元アシスタントコーチ、サイモン・クロン氏が就任。
NZキャプテンのキアラン・リード選手(NO8)の加入も決まっており、南アフリカのウィリー・ルルー選手(FB)も来る予定なので、トヨタが今年の本命馬となる可能性が出てきた。
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不祥事のあったトヨタだが、姫野選手の活躍や、若くて優秀な選手も入団しているし、特にトヨタと神戸製鋼の試合があったとしたら、日本代表とイングランドの対戦さながらの興奮を味わえるのではないかと、今年のトヨタの躍進を楽しみにしている。
NTTコミュニケーションズ シャイニングアークス(千葉県浦安市)
今まで上げてきたチームに、なかなか食い込めないでいたが、早慶明の選手が徐々に集まってきて、昨年度1番躍進したチーム。
日本の至宝と言われているアマナキ・レレイ・マフィ選手(NO8)やパナソニックから移籍した山田章仁選手(WTB)、他にも日本代表予備軍がたくさんいる。
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勢いのあるNTTコミュニケーションズは、優勝争いのダークホースではないだろうか。
パナソニック ワイルドナイツ(埼玉県熊谷市)
パナソニックが買収した三洋は、Mr.ラグビーこと平尾さんが活躍していた時代の神戸製鋼の最大のライバルであり、東西横綱の対決さながらであった。
会社の経営などの問題が原因なのか、強いけどなかなか勝てなかったパナソニックだったが、今年は優勝候補の大本命だと考えている。
トップリーグ2020は「パナソニックの逆襲」が行われるのではないかと思うほどの豪華な選手陣だ。
笑わない男として有名になった稲垣啓太選手(PR)、ヴァルアサエリ愛選手(PR)、堀江翔太選手(HO)、坂手淳史選手(HO)、松田力也選手(SO)、福岡堅樹選手(WTB)、南アフリカからダミアン・ディアレンデ選手(CTB)、豪州のデビッド・ポーコック選手(FL)と、これで勝てなかったら経営陣の問題になるのではないかというほどの圧倒的なスター選手の面々。
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特に筆者が注目しているのは、愚直で真面目で半端ない強さを誇る、天理大出身の島根一麿選手(HO)で、次回ワールドカップにも絡んでくるのではないかと考えている。
熊谷の応援最高でした🔥🔥🔥 pic.twitter.com/gSNksgv7nx
— 島根 一磨 (@cazuma25678) September 28, 2019
(中央にいるのが島根選手)
パナソニックはウェールズやアイルランドの王道スタイル。
本拠地が群馬から熊谷市へ移転になり、埼玉は浦和レッズや西武ライオンズなどスポーツに力をいれているので、熱い盛り上がりを見せるのではないだろうか。
その他の注目チーム
リーチマイケル選手が率いる東芝は、チームとしてはかなり下の方にいるが、楽しみなのはウォーターボーイズとして活躍した徳永選手が、レギュラーとして出れなかった鬱憤がたまっているので、トップリーグの試合で爆発するのではないだろうかと期待。
他にもたくさん話しておきたいチームはあるが、本日はここまでとします。
今後のチケットの状況
1節~10節はほぼ完売状態だが、11節~15節の後半に当たるチケットはまだ発売開始していないので、どうにかチケットを手に入れたいところだ。