昨日はかなりの長文でしたが、まだまだ伝えきれていないので、もう少しだけ池井戸さんの最新作

 

「ノーサイド・ゲーム」を読んでのアウトプットにお付き合いください。

 

昨日のブログはこちら

 

ラグビーを10年以上やってきた者として、その魅力は痛いほど分かっております。

 

野球9人、サッカー11人、バスケ5人でやるのに対してラグビーは15人。

 

人数が多いからこそできる戦略・戦術の多さ。

 

あの変な形で、どこに転がるから分からないラグビーボールから生まれるドラマ。

 

何もつけず、ジャージ1枚で体と体をぶつけ合う格闘技的スポーツ。

 

ボールは前にパスしてはいけないので、前に出たかったら自分の足で行くしかない。

 

圧倒的に怪我が多いけど、プレイヤーは怪我を何度も繰り返しても、またグラウンドに戻りたくなる魅力。

 

などなど、書き出したらキリがない程の魅力的なスポーツです。

 

 

社会人になり引退した後も当然観戦はし続けており、特に慶應ラグビー部関連の試合は毎年チェックしている。

 

ずっと僕のメルマガを読んでくれている人は分かると思いますが、秋のシーズンになると、テンションは普通に上がっている。

 

その時期のセミナーは必ずラグビーのことを触れてもいるw

 

 

ずっとプレイヤーの時からも、1ファンになってからも絶えず思っていた。

 

 

「もっと人気が出てもいいのでは?」

 

「なんとなくその理由は分かるが

とはいえ、今の日本での

ラグビー不人気は不当な評価だ」

 

 

世界で見ても、一番集客するスポーツイベントは、サッカーのW杯、次いで夏のオリンピック。

 

その次に人気なのはラグビーのW杯です。

 

 

 

アメフトやアイスホッケーもアメリカ以外はイマイチ、、

みたいに確かに国の特性はあるかもだけど、

 

とはいえ酷い仕打ちだとは思っていたが、根底に眠る原因は分からずいた。

 

 

それを池井戸さんが今回の作品で言語化してくれたような気がします。

 

 

読み終わってから自分なりに色々調べてみたが、日本ラグビーの1番の課題が分かったような気がする。

 

その説明の前に先ずは、サッカー・バスケ・ラグビー、それぞれのTOPリーグの有名なチーム名をランダムに5つ挙げてみました。

 

 

<サッカーJリーグ1部>

 

・鹿島アントラーズ

・清水エスパルス

・浦和レッズ

・FC東京

・ベガルタ仙台

 

 

<バスケBリーグ>

 

・千葉ジェッツふなばし

・琉球ゴールデンキングス

・リンク栃木ブレックス

・秋田ノーザンハビネッツ

・アルバルク東京

 

 

<ラグビーTOPリーグ>

 

・サントリー サンゴリアス

・パナソニック ワールドナイツ

・NECグリーンロケッツ

・神戸製鋼コベルコスティーラーズ

・ヤマハ発動機ジュビロ

 

 

もう、お分かりですよね??

 

・・・・・

・・・・・

・・・・・

・・・・・

 

 

ええ。。そうです。

 

 

日本ラグビーは、他の人気のプロスポーツと違って

 

「大企業におんぶに抱っこ」

 

という構造だということなんです。

 

 

こういうプロスポーツの一番の魅力である

 

「地域密着型マネジメント」

 

が、全くできていないところが最重要課題だと考える。

 

 

こういうスポーツに企業が協賛する一番のメリットは

 

「企業の認知向上+ファン化」

 

が、一番の目的である。

 

 

だから逮捕前のホリエモンが野球球団を買おうとしたり、楽天の三木谷さんの戦略が最も正しい。

 

きっと楽天は球団を運営し始めて、それまであまりネットで買い物をしなかった人にも広がったことでしょう。

 

そして、極め付けは

 

「東北楽天ゴールデンイーグルス」という名前。

 

新規参入+地元密着戦略として成功した。

 

 

ソフトバンクも同じ。

 

「福岡ソフトバンクホークス」という名前。

 

 

昔からある、巨人の戦略なんてとらん。

 

今、新規参入する企業は読売の戦略なんて真似しない。

 

巨人、ヴェルディ、、どんなに成績が悪かろうが、読売は赤字でも金を出す。

 

この、全くスポーツマネジメントしてない戦略を、ラグビーはずっと続けている。

 

 

野球でいうと、本拠地が巨人と同じく東京にあった日本ハムは、2003年に観客増のため、札幌に移転した。

 

そして大成功を収める。

 

妻の母方の実家が洞爺湖なので毎年北海道には行っている。

 

行くと必ずほとんどの親戚と会うんだけど、2年前は確か、ある親戚が来なかった。

 

理由は、

 

「チケットが当たったからその日は

どうしても野球を観にいきたい」

 

「KOIくんにも宜しくと

言っておいてだって」

 

とのこと。

 

・・・折角東京から来たのに、野球の試合に負けたw

 

 

広島でのカープ人気。

 

大阪での阪神。

 

名古屋の中日。

 

 

東京にいると分からないけど、

 

「地元愛=スポーツ」

 

という構造は、はっきり言ってどのジャンルにもあてはまる。

 

 

それが、ラグビーには一切ない。

 

 

これも1つ経験した話だが、、

 

解雇された後シカゴに短期留学に行った時に、やはり「NBA」は観たいと普通に思った。

(八村塁くん、、おめでとう!!)

 

 

なので勉強の合間の休みの日仲間と、シカゴブルズ戦を観ることにした。

 

その時に驚いたのは、なんつうか全員が試合を席で観ていないということ。

 

なんとなく仲間が集まり、コートの外のフードコーナーで、ビールを飲みながら談笑し、試合はテレビで見ている人がたくさんいた。

 

そして終了間際に、つらつら席に戻る。

 

 

つまり、彼らはそりゃあ試合は見たいけどそれ以上に、シカゴブルズの試合会場が

 

「憩いの場」

「遊びの場」

 

に、なっているということだ。

 

 

勝手だがこんな会話が予想される。

 

 

マイケル

「へい! ジョージ

久しぶりに会わないかい?」

 

ジョージ

「おお!マイケル

いいね~

じゃあいつものクラブで~?」

 

マイケル

「No No 今週末の

シカゴ戦のチケットを

3枚GETできたんだー

 

ジェームスも呼んで

また集まろうぜ!」

 

ジョージ

「I’ve got it !!!」

 

 

・・・変なのw

 

まあ、例えは置いておいて、、

 

自分たちの住む街を代表しているスポーツチームを愛している構造が、プロスポーツの成功を生むと僕は確信した。

 

昔ながらの企業スポンサーだけじゃ無理だ。

 

ちなみに、このシカゴのエピソードは、帰ってからある人の紹介で面接したJリーグでも話した。

 

かなり、納得してくれたしそれに向かって動いているとも言ってくれた。

 

結局、就職はしなかったがもしあのまま就職してたら、僕はその活動をしてたと思われる。

 

 

数年前、東芝が大問題を起こしたのは記憶にも新しいでしょう。

 

その時に、ラグビーの名門チーム東芝ブレイブルーパスは廃部の危機を迎えた。

 

東芝はサザエさんや今や大人気のTBS日曜日21時枠(昔は東芝劇場と言われていた)のスポンサーを降りても、ラグビー運営はやめなかった。

 

今思うと、あの時東芝が降りた方が、ラグビー業界には逆によかったかもしれない。

 

 

同じ頃、Jリーグの清水エスパルスも運営の危機を迎えており廃部も視野に入れていた。

 

その時何が起きたか?

 

たくさんの清水エスパルスファンが

 

「廃部にしないでーー」

 

と、署名を集めまくって抗議運動をしたのだ。

 

 

これが

 

「地域密着型」の強さだ。

 

結果、ある企業が手を挙げ存続することに至る。

 

 

どんどん過疎化は進む。

 

地方の人口は減少の一方だ。

 

しかし、東京にいると分からないが、地方に行くほど

 

「地元愛」は強い。

 

地域活性なんて、今の安倍首相の頭には1ミクロンもないでしょう。

 

 

そこでのプロスポーツの役割はとてつもなく重要だと考える。

 

 

ここで、また池井戸さんのノーサイド・ゲームから抜粋したいと思う。

 

赤字続きのラグビーチームに対して、上層部は廃部を役員会の議題にあげる。

 

しかし主人公の君嶋(笑)は、他のプロスポーツの成功を分析しまくり、地域密着型戦略をとり徐々にだが成果を出していた。

 

役員会議で、役員に対してこう反論する。

 

※アストロズ=今回の主役がマネジメントしているラグビー部のチーム名

 

 

アストロズをコストという一面で切り取り、協会の問題を指摘されれば、まさにその通りです。

 

ですが、アストロズはいま多くのファンに支えられ、地元で愛されるチームになりました。

 

学校でイベントを行い、病気で苦しむ子供達を見舞い、老人ホームを慰問し、街の清掃作戦に積極的に参加しております。

 

アストロズは数字の集まりではなく、人の集まりです。

 

いまや地元のファンにとって、アストロズは勇気や元気をもらえるチームに成長しております。

 

 

(略)

 

 

先ほど指摘のありました、日本蹴球協会とは、厳しくやり合い、戦いを挑んでおります。

 

いまだ結果は出ていませんが、本当の意味で日本のラグビーの発展につながるよう、日々諦めず、声高にプラチナリーグ改革を叫んでいくつもりです。

 

ラグビー部はカネがかかるといわれてしまえば、たしかにそうです。

 

でも、やりようによってはきちんと採算を取っていくこともできる。

 

少なくともその可能性があります。

 

私たちは、いまそれに向かって全力で邁進しているところです。

 

とうか、いましばらく見守っていただけないでしょうか。

 

皆様の慧眼をもってご理解賜りますよう、お願い申し上げます。

 

 

「ラグビーは神聖なるスポーツだ」

 

「赤字でも協賛する」

 

「それが亡くなった会長の意志だ」

 

という経営陣・企業は本当に多い。

 

それはそれで嬉しい。

 

だけど、そんなのは長く続かない。

 

 

時代が変化し続ける中、幾ら大企業とはいえ未来生き残れるか分からない時代だ。

 

そんな中、赤字を出してでも協賛するなんて有り得ない。

 

ビジネスとして「投資する価値がある」と思えるよう、しっかりとプロスポーツ・興行として成立しなきゃならない。

 

キングダムの映画を観た多くの人は

 

「第2弾も楽しみだ!」

 

という声は多い。

 

 

だけど、これが仮にキングダムファンの一部だけしか観てなくて、赤字だったら第2弾なんて絶対に実現しない。

 

 

そこはエンターテイメントとはいえ

 

「ビジネス」だ。

 

 

きっと今回の主人公君嶋のように、社内で奮闘されている人は多いと思う。

 

未来のラグビーのために、変えなきゃいけないことは多いと思う。

 

だけど、改革はそんな簡単じゃない。

 

 

だから特に今、人気も実力もある

 

・サントリー

・パナソニック

・神戸製鋼

・トヨタ(……例の薬の事件は残念だ…)

 

 

この企業の担当者の方達には頑張ってもらいたい。

 

 

1ラグビーファンとして応援しております。

 

 

色々、ビジネス的な視点で分析させてもらいましたが、池井戸さんはこの作品を通じて、「ラグビー」というスポーツに対して1つの価値観を提示していました。

 

 

中身を読まないとすべては理解出来ないとは思いますが、個人的にはかなり「ぐっ」と来たので、

 

最後にそれを明記して今日のブログを締めたいと思います。

 

※君嶋の成功後、上司が彼に言った言葉です。

 

※トキワ自動車=アストロズのスポンサー企業

 

 

中味のない奴が一時の栄華を誇ったとしても、所詮、泡沫(うたかた)の夢だ。

 

君も私も、このチームも、そしてトキワ自動車という会社も、さらにいえばこの日本という国も、あるいは世界のすべてがそうだ。

 

最後に道を過たず、理に適ったものだけが残る。

 

逆にいえば、道理を外れれば、いつかしっぺ返しを食らう。

 

自浄作用がなくなったとき、そのシステムは終わる。

 

 

(略)

 

 

だが、もっと大きなところで、どんどん理不尽がまかり通る世界になっている。

 

だからこそ、ラグビーというスポーツが必要なんだろう。

 

「ノーサイド」の精神は日本ラグビーの御伽噺かも知れないが、

 

今のこの世界にこそ、それが必要だと思わないか。

 

もし日本が世界と互角に戦える強豪国になれば、きっとその尊い精神を世界に伝えられるだろう。

 

それこそが君に与えられた使命だ。

 

まあ、少し小っ恥ずかしい・カッコつけ表現ですが

 

何事にもこういう思想を持ってビジネスをすることができれば、、

 

 

自分の存在意義を感じ毎日の辛い仕事にも耐えられる。。

 

 

そんな気がします。

 

 

僕は僕で、使命は勝手に持っておりますが、今一度、ビジネスをする理由を深く考えてみようと思います。

 

 

それでは2日間、、

 

大好きな池井戸潤さんの最新作

 

「ノーサイド・ゲーム」

 

のレビューにお付き合い頂きありがとうございました。